Paranoia Diary

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思い出のゲーム探訪 「メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦」前編

 メダル・オブ・オナーと聞いて今の若いFPSゲーマーは何を思うだろうか?まず今の中学生・小学生はシリーズが初登場した時代には生まれてすらいないし、高校生や大学生ゲーマーも物心つくころにようやく発売されたという、歴史の浅めなFPS世界の歴史でも古い実績を持つシリーズであり、今の若い人には「Call of Dutyと戦って負けたシリーズでしょ?」と身も蓋もない印象をもたれがちな作品でもある。

 ぶっちゃけその言葉は否めない。WW2モノFPSというジャンルに執着しすぎて、名シングルを引っさげて現代戦に参戦して2作で消えた(名誉の為に言うが、2作とも名作である)というシリーズであるのは周知の事実だ。でも、古参のゲーマーは口を揃えて「ミリタリーFPSの基礎を築いた偉大なシリーズだった」と答えるだろう。

 小学生・中学生の頃に俺がアホかと言うぐらい遊んだ名作、その国内家庭用版第一作目であるPS2メダル・オブ・オナー 史上最大」を遊びながら、今回はメダル・オブ・オナーシリーズが楽しかった頃を俯瞰してみよう。

 

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 まず基本的な情報を説明すると、メダル・オブ・オナーシリーズの最初の作品ではない。まずPC版のアライドアサルトがあり、PS版という解像度がガッサガサの家庭用版という最初の作品があるが、日本における家庭用版はこの「史上最大の作戦」が始めてだ。こいつの衝撃たるや、ミリタリーに興味を持ち始めのガキどもにミリタリーゲーム童貞を喜んで捨てさせるにはもってこいのレベルであった。

 更におさらいすると、ライバルとなりメダル・オブ・オナーをBO2で倒した宿敵CoDは、メダル・オブ・オナーの製作スタジオから抜けたスタッフが作ったシリーズである。しかし、当時生まれたてのCoDは(と言うか史上最大の作戦発売時は開発すらされてない)まだまだメダル・オブ・オナーの足元にも及ばず、中古ソフト屋などでCoDPS2版ソフトが品薄で高値で取引され、メダル・オブ・オナーは安売り状態でどこでも見かけるのも当時のミリタリーFPSにおける大手として君臨していた名残である。

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 難易度は後発のゲームにくらべれば幾分かマイルドだ。HPの自動回復という概念が無かったorまだ普及してなかった時代らしく、回復はアイテムを拾うと言う仕組みだ。難易度もこの通りアバウトな3段階に分けられる。CoDが「リクルート」「レギュラー」「ハード」「ベテラン」と区切る中でメダル・オブ・オナーは少しサッパリとした難易度を提言していたのだった。もちろん当時遊んでいた難易度はもっぱら一般兵だったが、ぶっちゃけ難易度の差はあまり高く感じられない。

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 また、ゲーム内で暗号を打ち込むとゲーム内チートがアンロックされるというお遊びも実装されており、実用性の無いものから攻略に使えるものやガチの無敵チートまで多数揃えてある。もちろん当時はネットがあって暗号は調べられたが、これを調べるのに攻略本を使うという手もあったし、友人同士でメモを回しあって調べた事もあった。

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 また、ゲーム内ではムービーが表示され、ステージをクリアしてリザルトで高評価をもらうとアンロックできていつでも見れるようになる。技術限界や演出もあるだろうが、ムービーの殆どは実写であり、資料映像が使われている。ミリタリー少年にやさしく手ほどきするように、WW2西部戦線の歴史について簡単なおさらいが出来る資料映像を内包しているため、ミリタリーに興味を持ったガキがこれでミリオタ1歩目を踏み出すには申し分ない出来になっていた。

 また、興味深いことにこのゲームはメイキングまで付属していた。つまりはゲーム作りの裏側を垣間見れるわけである。サウンドやボイスの収録風景から、3Dモデルやアニメーション、設定画までは駆け足気味で再生される。当時としてはとりあえず入れてみた要素だと思うが、今目線で見ればこれが中々独創的である。今では開発現場や製作過程をゲームに内包するなんて考えられない珍しい話である。

 いろいろと語ってきたがこのままゲームの概観を説明していくと長くなるので話を分割しよう。次はいよいよゲーム内容に触れていく。

 

メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦

メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦