Paranoia Diary

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進撃の艦B

 2017年9月、艦船擬人化ゲー界隈において彗星のように現れた新星「アズールレーン」。わずか半月の間に爆発的な人気を獲得したこのゲームに一番驚いたのは他ならぬ戦艦少女プレイヤーだった事だろう。今回はこのゲームについて色々と語りたい事があるので適当に書き出してみたいと思う。

アズールレーンって?

 アズールレーンは2017年に中国でサービスが開始された海戦STGゲームである。艦船を擬人化するという兵器擬人化ゲー界隈では珍しいジャンルの参入である。中国のビリビリ動画(日本のニコニコ動画に近い動画サイト)のゲーム強化展開の一環として世に送られたゲームである。既存のゲームと比較して、それぞれ所属の違う艦船同士が戦うという展開やストーリーモードの実装、何よりSTGである事が挙げられる。

 ただし、本国の中国版のスタートに関しては暗雲が立ち込めていた。ユーザー数自体は多かったものの、初動の展開で不手際が目立った印象(イベントの難易度調整やゲームの運営など)があり、情報を見る限りではあまり良い出だしとは言えなかったようだ。

 もっとも、9月に日本上陸を果たしてからは劇的な変化を遂げる。

なぜこれまでヒットしたのか?

 日本版は今現在大ヒットと言ってよい。あまり比較対象にするべきでは無いとは思っているが、戦艦少女Rの人気と比較すれば一目瞭然であり、公式Twitterのフォロー数、ゲームの登録ユーザー数、SNSでの人気度などはその非では無い。今までFGOや艦これのスクショを上げてきた人たちが今度はアズールレーンのスクショを上げ、艦これ絵師がアズールレーンの愛宕の絵をこぞってアップし始めている。正直に言って中国版のリリース時を知っている人間から見れば「え?」と声を上げるには十分な人気だ。

 同じ中国製ゲームなのに1年近く前から日本上陸を果たしている戦艦少女プレイヤーの一部では「何で艦B(アズレン)が流行ってこっちは流行ってないんだ」との意見を持つ人もいるそうだが、色々と調べてみると人気が出るのも理解は出来る気がしなくも無い。

 まず第一に既存の艦船擬人化ゲーとは一線を画すゲームデザインである事。従来の艦隊育成シミュレーションゲームの型枠の中でSTGというジャンルをぶっこんできた時点で「売り」となる要素を持っていた。新しい物を携えてこの手の艦船擬人化ゲージャンルに真正面から乗り込んできた上に、システム上でもユーザーフレンドリーな要素が沢山あるゲームとなっているし、何よりも自分である程度の操作が可能で、それによって戦況を左右できるという点も評価されたのだろう。これを見て試しに遊ぼうと手を伸ばす人がいるのも頷けるし、だからこそ艦これプレイヤーの中にもプレイしている人が多く出てきたと思う。

 次にマーケティングの凄さ。宣伝の量に関しては十分すぎたと言っても過言ではなく、4gamerや電撃の特集記事は無論のこと、秋葉原に大型の宣伝広告を出した事や、何より電車内広告まで打てたという宣伝量の多さは確実に関係している。予算が無いと出来ない広告を打てる環境であった時点で「リリース後に目立たずに埋もれる」という状況を回避できたし、何よりも「TLのあの人もやってるし……」という状況を持ち込めたのが一番大きいと思う。

 また、ゲームの目玉となるキャラクター要素についても成功要素はあると思う。まず初手から日本進出を視野に入れて日本語CVを入れた事もあるし、全員ボイスが付いてないにしてもクオリティの高い声優をそろえて来たのも成功の一部だと思う。それに、キャラクターのデザインやイラストレーターに関しても、品質のラインをそれなりに上げて揃えている印象だし、日本艦がケモミミという点も目を引いた気がする。

 とどのつまり、成功する条件は揃っている。

艦Bは艦船擬人化ゲーのメインタイトルとなりえるか?

 アズールレーンの人気は艦これや戦艦少女を食いそうな勢いがある。わずか半月程度で爆発的にユーザーが増え、不具合があれば公式Twitterに激励のリプライが飛ぶ……数年前にどこかで見た光景が現在進行形で見れる。

 このまま人気が続けばこのゲームは「ポスト艦これ」の位置に就くと思うか?個人的にはどちらとも言えない。また始まって半月ほどしか経っていない訳だし、艦これもhtml5版への以降が公表されているし、ビクトリーベルズはまだリリースされてないし、戦艦少女も更なるアップデート待ちとなっている。アズールレーンの今後の展開によっては、プレイヤー数はそれぞれ横ばいを維持するかもしれないし、確実な予測は出来ない。

 ただし、アズールレーンの可能性はまだ未知数であるし、このまま人気を維持出来ればポスト艦これと言えるゲームになる事もありえる。事実、日本版サービス開始から半月程度で同人誌も出たわけだしオンリーイベントの開催予告も出た。ぼちぼち出始めた二次創作に、数を増やすファンイラストなど、厚いユーザー層を形成しつつあり、ジャンルとしての地盤は出来てきている。

 これからの動向が非常に気になるタイトルである。