Paranoia Diary

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戦艦少女R日本版 レビュー&感想

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 戦艦少女を一通り遊び、とりあえず色々とわかった事が増えたのでここでレビュー(と言うかほぼ感想)をする事にしよう。

 あくまで今回のレビューは艦これプレイヤーから見た&艦これプレイヤーに向けた物であると理解してほしいし、特に両者を比較してどちらか一方を叩くような話にするつもりはなるべくしないようにするのでどうか広い心で見て欲しい。

 

・悪い点

 ではまず先立って「これはちょっと悪いかな」という点について解説していく。

 まずはそのドロップの渋さだ。今のところ2-3まで突破している状態だが、実際にプレイしていると最初のうちはポコポコと新しい艦が出てきて楽しみがあるが、あまり強力なユニットは出てこないというのが主な感想。さらに、建造も建造で今のところ星5以上は誰も建造できていない(ログに出現報告が無い)というもので、キャラ収集ゲーとしては非常に先が思いやられる展開である。艦これも似たようなものだし、大型艦建造のような理不尽なシステムも無いので気長にやっていくしかないだろう。もっとも、戦力が揃い後半の海域に進めれば状況も変わっていくかもしれない。

 建造と開発はあまり数がこなせない。建造はまず建造資材となる設計図が中々手に入らない仕様で、これを集めるのに時間がかかる(課金という手もあるが)。装備も建造と同じく時間と設計図が必要で、そう簡単にまわせないうえにどちらも課金なしでは同時に2つまでしか建造できない。つまりはガチャをまわすのが非常にめんどいという仕様である。逆に言えばドロップ狙いで海域を周回する方針に切り替え、設計図を溜め続けで使いたい時に使うように心がければ特に気になる仕様でもないだろう。装備の設計図は幸いにも入手はしやすいし建造系任務もあまり無茶な数は要求してこないので極端に理不尽というわけではない(ただしドロップは渋い)。建造イベントもあるそうなので、数をこなすのではなく温存していくプレイスタイルの方がいいかもしれない。

 また、艦の改造は難しい。と言うのも、改造はせいぜい改装設計図を要求する艦これと比較して、改造コアと呼ばれるアイテム(そう簡単に入手は出来ない)を用意する必要があり、レベルが上がったら即改造と言った手軽さがない事。幸いにもクエストをこなしたり戦役(ヒストリカルMAP)のクリア時報酬と入手機会は多いが、その分取捨選択を迫られるだろう。

 演習は今のところ非常に厳しい。マッチングの問題もあると思われるが、とにかく適切な編成と出会えず中々勝てないという点を多くの人が指摘している。とはいえ、資源も何も消費しないし経験値は貰えるので敗北数が増える事意外は特に問題はないという気がする。こちらも強いキャラが揃えば問題は解決できると思うが、ここらへんは艦これと大体同じ問題点を抱えている。あと沈んでない処理がされるとは言え演習中に沈むエフェクト入るのはちょっと……

 UIは親切なところと不親切な所が入り混じっており評価が複雑な部分もある。例えば艦の並び替えが難しいところで、ドラッグアンドドロップのような直感的な操作が無い。とはいえ艦の順序がどう影響するかは今の所分からないし(スキルによっては必要とは聞いた)、並び順が旗艦配置以外は特に問題はないゲームデザインなら関係ないとは思う。しかし、装備のプリセットが要素としてあるのに艦隊のプリセットを用意できないのは少しもどかしい感じ。

 羅針盤は最初こそ素直だったりするし、明確な分岐条件が分かったりするが、意外とランダムに頼る羅針盤や厳しい条件を要求するものが多く、ゲームが進むにつれて難易度を上げていく。とは言え疲労度なしという試行のし易さもあるのでその辺と折り合いをつけているのだろう。ただクエストではマップ全域の踏破を要求されるので、そのへんの難易度は高めと言える。

 資源収支は課金をしないのであれば厳しい。遠征により入手は出来るし、クエストをこなせばポンポン手に入り、ログインボーナスなど様々な場面で入手機会があるが、遠征は海域クリアごとにアンロックされるため、難関の2-4突破以前までは効率的な遠征を回せず、資源の活用が非常に難しい。戦力を整えようと建造すると減るし、レベリングで出撃しても減ってしまう。その分、遠征で資源を消費しない・4艦隊同時遠征可能 という利点で補っていくしかないだろう。幸いにもスマホゲーなので遠征は簡単に回数をこなせる(通知も飛ばせるし)。

 そして意外と問題点なのはキャラゲーとしての要素がやや薄めという事。キャラクターのデザインに関しては個人的には良いと思うが、人によってはあまり魅力が感じられないという事もあるかもしれない。ボイスが無いためセリフが文字で出てくるが、実は意外とこれがしゃべらない。戦闘前、戦闘中、母港ぐらいしか確認できないので、キャラクターを作る上でこれが結構なネックになっているのではという気がしなくも無いだろう。もっと要所で喋ってもいい気がする。
 後は結構なプレイヤーが言っているが、ボイスがないという点に関しては大きな問題点にもなっていると思われる。キャラクターが喋れば、キャラゲーとしての要素も大きく増す気がするものの、今まで本国版含めてボイスがないゲームなので、その点ではキャラゲーとして文字通り一声が欲しい状況にはなっている。
 ただ、ゲーム容量が増える・ボイスが重なりぐちゃぐちゃになるというデメリットや、収録されているキャラクター数を考えるとボイス追加は無理にしなくてもいい気がする。艦これも結構ミュートでやってるし……

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 あと、些細な点だが日本機の国籍マークは存在しない。日の丸を使うのが本国中国ではアウトだったのか定かではないが、日本艦載機などのイラストにはこの特徴的な日の丸が使われず、代わりに鍵十字に棒を4本足した「田」を傾けたデザインに変更されている。この部分については一部のうるさい人たちの論争を呼びそうではある。

(2016年11月11日追記 国籍マーク問題は修正されました)

また、一部の装備・キャラ解説や台詞の文法が若干おかしい(翻訳がまだ進んでいない?)という部分もごくたまに見かける。まあサービス始まって1週間と少ししか経ってないし……これからに期待したい。

 

・良い点

 次に「良い」と思う点について述べよう。

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 まず戦闘はアニメーションが用意されているが、これが意外とテンポがいいのでサクサクとプレイできる。疲労度が無いので、艦の修復時間を除けばダメージを受けず資源が続く限りどんどん出撃できるのでプレイ中のストレスは割と低めである。

 キャラクターのバリエーションも多く、特定の国籍縛りプレイなども可能。さらにユニークなキャラクターもいるのでコレクションも楽しみがある。一部のイベントでしか手に入らない貴重な艦もいたりするが、最初のうちは色んなキャラをポコポコ拾えるので楽しめるだろう。また、まだ実装されていない艦も数多く、図鑑ナンバーも空きがまだまだ多いので今後の追加にも期待がかかる。

 演習・遠征は資源を消費しない。その上、遠征は第一艦隊も出撃可能で、出撃条件などは明確に記載されているので資源集めは比較的容易になっている。大成功パターンについては艦船のレベルによる。また、大発のような資源増加手段の代わりに、特定のキャラのスキルに遠征での入手資源量増加が見込めるものがある。

 UIは非常に使いやすい。艦の一括解体や補給ができたり、強化(近代化改修にあたる)の際に自動的に装備が外れる=装備廃棄の資源収集も容易という利点もある。大破した艦がいれば進撃時に警告メッセージが出たりするし、特定の条件をぼかさずにハッキリと明記するという点もよい。陣形の効果説明もちゃんとしているので、何かと親切な部分も多い。特にクエストは「行く」ボタンを押せばクエスト達成に必要な画面(出撃画面や編成、開発画面など)に飛ぶので優しい。
 また、保有するキャラと装備は扱いが別で、装備含めたキャラ数・装備から外されて保管された装備数と分別される、キャラを貯めても装備枠は一杯にならないし、逆も同じだ。
 まだ完全なUIとは言えない部分もあるが、伸び白もあるのでこれからも期待は出来そうだ。

 クエストは「編成」クエストと演習クエスト以外はサクサクと進み、消化は非常に容易だ。自動受諾なので任務の受け忘れ等というヘマはしなくてすむ。クエスト内容も「××を○隻撃破せよ!」 「××のMAPの全域を攻略せよ」と言った複雑な内容を持たない物が多く、わざわざ艦を指定して出撃するクエストは(今のところ)存在しない。また、第3・第4艦隊の開放は出撃クエストで2-3をクリアすれば解除されるので、特定艦を集めて編成しなくても、攻略していけば自然と開放される作りになっている。

 また、ボーナス要素もあり攻略は楽しい。ログインボーナスがあるので、毎日ログインするだけでもアイテムや資源を貰えるし、提督レベルが上がるとボーナスにキャラクターまで貰えたりもする。また、緊急メンテ時などには補填も出てくるという優しさがある。変わりに強力な装備やキャラクターはあまり配られないので、そこは開発や建造・ドロップを狙うしか他ない。

 

・課金の状況について

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 課金については「重課金ゲーである」というコメントも散見するが、個人的にはそうでもないのでは?という気がする。ゲーム内課金はゲーム内通貨の「ダイヤ」を購入する必要があるが、単純にリアルマネー1円=1ポイントではなく、ゲーム内通貨はリアルマネーのほぼ半額になっている。つまりゲーム内で800ポイントの物があるとすれば、実売価格は1600という換算になる。確かに高い。

 しかし、ゲーム内で何を買うか?と言われ、実際にアイテムを見てみると意外と永続性の高いアイテムが多い事に気がつく。例えば10隻のキャラを保有できる枠拡張はリアルマネーで400円程度、装備枠拡張は別売だが、それを加味しても600円程度で、艦これよりも割安である。入渠ドック拡張も1個1600円と割高だが、開発・建造がそう気軽に何回も行えない仕様を考えると入渠に投資するだけで大体は事足りるだろう。1回きりの課金としては中々悪くない額だと思う。

 ちなみに資源に関しては完全にこちらの安さに軍配が上がる。例えば燃料は最大1000で300円というのが艦これの鉄則だが、こちらでは200円分で2000、900円分で10000という数が手に入るのでこちらが得になっている。他にも月間パスと呼ばれる各資源500を毎日受領できるアイテムが720円ほどで販売されている。月あたり15000前後の資源をパスで貰えると考えると、資源収支をリアルマネーで頼る場合は完全に得となっている。

 衣装は物によるが実売400~1000円ほど(高い)で、ここらへんは黙っていても限定グラが出てくる艦これに比べると不親切さがある気がするが、そこは個人差が出る要素である。嫁艦の好きな格好を楽しみ続けれる権利と思えば安い方かもしれない。
 ちなみにエミュレーターでは課金が反映されないため、PC上でプレイしている場合は携帯端末から課金するべし、とのアドバイスも見かけている。また、特典として初回課金にはおまけのゲーム内通貨が手に入り、おまけ資源も入手可能なので1回きりの課金でもそれなりに多くの物を得られるだろう。
 課金の総評では艦これと同等程度の低課金性は備えているし、資源をリアルマネーで回すのも悪くない選択肢の一つに入っている。もちろん課金なしでもそれなりにいけるだろう。

 

・総評

こんな人には薦められる
・艦これ系統のゲームが好きな人
・海外艦に愛着のある提督
・多種多様な国籍の艦船キャラでゲームをしたい人
・マゾゲー路線に飽きた人
・パッと見た事前情報で気に入ってるキャラを見つけたという人
・艦これの遠征・入渠・疲労抜きの待ち時間に何かもう1つゲームを遊びたいという人
・また最初から艦これを遊びたいが再度DMMアカ取得すんのは辛いという人
・正直艦これでやる事が無くなってイベントの新艦追加を待つだけの人
など

 

多分こういう人は気に入らない
・中国産のゲーム等は遊びたくないという人
大日本帝国海軍(と枢軸国)こそ至上で連合国には興味が無いという人
・全体的に00年代くらいのキャラデザは苦手という人
・また1から艦を集めて育てるのはだるいという人
・「パクリゲーだからプレイしたくない」という心情の人
など

 

 よく槍玉に挙げられる「戦艦少女は艦これを代替する上位互換ゲーであるか?」という議論に対しては一通り遊んでみて出した結論として「上位互換と言うよりは別ゲー」と断言していい。ゲームとして面白い部分も多いし、クローンゲームの中では間違いなく最高の出来を有したゲームではあるものの、それでも欠点はあるし艦これから輸入してほしいような要素もまだまだ大量に残っているゲームでもある。
 しかし、海外艦を中心にしたキャラクターのラインナップ展開や、ゲームの内容など後発のクローンゲームの中でも時間をかけて考え抜いた努力が光るゲームでもある。伸び白もまだまだあるし、大陸版を経てようやく日本に上陸したばかり。今後の展開の気になる部分も含めて、遊んでおいても損はないゲームだ。