Paranoia Diary

趣味の事とかTwitterで書けなかった事とか雑感とか日記とか

ネット小説、どこで書くか?どこで見るか?

 長らくSSを書いていて、様々な小説投稿サイトを回ってきた。昔は小説投稿サイトも大手というものは殆どなく、掲示板にこそこそ書いたり2chの創作板などにコツコツ投稿してまとめサイトに纏めていたり、htmlを勉強し一から自分のホームページを作って公開したりと、様々だった。

 今は小説投稿サイトは非常に多く、大手と言える巨大な小説投稿サービスも乱立しておりまさにネットSS戦国時代である。今回は数ある小説サイトの中から実際に使ってみたサイト4つを「書きたいんだけどどのサイトがいいかわからない」という人向けに解説したい。

Pixiv

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長所

『シンプル』『挿絵との連動が楽』『ユーザー数が多い』『表紙を表示できる』

短所

『検索機能が悪い』『投稿機能が悪い』『使い勝手はよくない』『作品が流れ易い』

 大手イラスト投稿サイトのPixivには小説の投稿機能が備わっている。が、あくまでサイトのメインはイラストであるため、小説の機能はかなり使い勝手が悪いと言うべきだろう。ただしイラストが連動する部分においては他のサイトのどれよりも使い勝手で軍配が上がるが、それ以外は粗雑極まりない。

 特に検索機能においては劣悪の一言につきる。1と100しかない極端さとでも言うべきが、必要最低限の検索機能しか付いていないのでジャンルによっては試行錯誤を続けてどうにか目当ての物を探すしかないという不親切な設計だし、有料にしないと改善されないというぐらいだ(もっとも有料サービスを使っても厳しい物はあるかもしれない)。ジャンルによってはすぐに作品が流されてPVすら付けられない=クリックして見てもらえすらしないという事すらありえる。

 Pixivアカウントを持っているついでに投稿する程度なら使えなくも無い……という物でもあるが、しかしそれでも小説投稿サイトとしては初歩の初歩とも言えるシンプルさ(それが仇でもあるが)は初心者としては取っ付き易さはあるかもしれない。

 

小説家になろう

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長所

『大手サイト』『投稿・検索機能の充実』『PDF化機能』『書籍化のチャンス』

短所

『とにかく人が多くシノギの削り合いが激しい』『読者の求める傾向が偏る』『作品の流れが物凄く早い』『二次創作は禁止』

 小説家になろうはオリジナル作品書きには夢のようなサイトだ。まず書籍化のチャンスだ。電子ではなく物理書籍として自分の作品が店頭に並ぶという事はネットの小説書きにとっては夢のような出来事であろう。しかし現実はそうでもない。作品数と書籍化されたタイトルの数を比較すればわかるが宝クジを当てるぐらいの確立だ。

 投稿や検索機能は充実しているが、その他はすさまじいの一言。人が多すぎる故に凡庸なタグを付けてる作品は猛スピードで流されて誰の目にも止められない。「異世界ファンタジーチートハーレム」みたいな昨今の流行要素をすべてぶち込んで大鍋で似たようなランキング作品などがあり、とりあえず手身近なものから何か読むか、という気持ちでいると凄い物を読む事になる。

 そして書いてUPしても誰の目にも止められない、という事は日常茶飯事である。Twitterで大量のフォロワーを抱えた状態で頻繁に宣伝したりしない限りはPVすらつかないという事すらよくある。投稿自体が博打というジャンルであり、過度の期待をするとその落差に打ちひしがれる事もあるだろう。とにかく根気よく、誰かに見てもらえると信じて投稿するしかないサイトである。

 それから二次創作は投稿できない。もし二次創作を書きたいのなら他所を使おう。

 

ハーメルン

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長所

『無償の素晴らしいPDF化機能』『検索機能がよい』『投稿機能も中々よい』

短所

『ジャンルによっては無法地帯』『評価がもろにアクセス数に出る』『ジャンルによっては流れが速い』

ハーメルンの良さについては以前にこちらの記事を参照してもらいたい。

ハーメルンはいいぞ - Paranoia Diary

前回はいい所を語ったので今回は悪い所から。まずジャンルによっては無法地帯である事。ぶっちゃけネットSS、それも二次創作系は大体そうなのだが一度ウケた作品が出るとそれを模倣したり設定やコンセプトをもろに使った作品が出てくる。影響を受けたり、原作の都合上で似た二次創作作品が多くなるという事はあるが、良くも悪くも似た作品でジャンルが溢れかえるという光景が多い。

あと書いてる作品にもよるがホントに困った層からアレなコメントを貰う事が多々ある。そういう場合はハーメルンの運営へボタン1つで通報すれば対処はしてくれるのでありがたいが、ここらへんの耐性がなければ結構つらい場面もある。

また、評価システムが独特で人気の出ている作品・荒れてる作品というのが顕著に出てくる。恐ろしい話だが評価点が1から、ではなく0という「最低最悪」というレッテルを作品に張れるサイトなので、見る分にはわかり易くても書く人間には勘弁してほしい機能も多々ある。

 

カクヨム

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長所

『直感的な操作が可能なシンプルさ』『手軽さ』『一部では二次創作可能』

短所

『検索機能が壊滅的』『よくも悪くもシンプル』『感想機能も壊滅的』

 カクヨムは最近になって作られた小説投稿サイトで、KADOKAWA×はてなが送る小説投稿サービスだが、ある意味で伏兵のような存在である。まず投稿機能に関してはオーソドックスだが、非常に直感的で使いやすく纏まっている。スマートに「書くだけかいて保存して好きな時に公開」が出来るという点では心強くはある。作品・作者のフォローもボタン一つで可能で、Twitter感覚で作品を追える楽しさがある。

 また、自社ブランドの作品なら一部では二次創作作品も投稿できるという強みがある。だが基本はオリジナル作品が多い。

 ただし壊滅的な要素は多い。検索機能が主たるもので、これが非常に使いづらい。まず「指定した検索ページ数に飛べず、淡々と次へ進むを押すしかない」という言葉だけでこの問題がいかに残酷かを物語るだろう。素直にグーグル先生に頼るしかない。

 感想機能も微妙だ。基本的に評価段階は星3つまで、感想というよりはレビューを書くのみで、作者本人に生の声を投稿する流れで何度も送るというのが難しい。生のやり取りが出来るネット小説投稿サイトという中でこれは致命的にも程がある。一応は似た事が可能であるが、作者の近況報告のみコメント可能で実用性は薄い。

 書くだけならオススメだが、それ以外を求めるなら素直に他を使ったほうがいい。

 

 

以上4つの長所短所を纏めてみた。もしこれからネット小説を書こうという人がいたら、参考にして欲しい。