Paranoia Diary

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最近見たネット小説 短評①

ネット小説(二次創作含)の短評、今回は艦これ

 雪の駆逐艦-違う世界、同じ海- - ハーメルン

 第二次世界大戦が発生しなかったIF世界を舞台に繰り広げられる深海棲艦と海の向こうアメリカの艦娘と派遣された日本の艦娘の物語。艦娘のみならず、アメリカの陸海空軍など通常戦力や、東西冷戦期の実在・試作兵器等が大挙して登場。深海棲艦もそれらに呼応するようにパワーアップされている。

 かなりマニアックで地に足の着いた設定や架空戦記の趣を有した艦これ二次創作SSだが、何と言っても着目点である「アメリカの艦娘」という部分に対して深く言及した興味深い作品でもある。艦これという作品の設定を上手く切り抜きながら、そこへ徹底したミリタリー描写をぶち込むという個人的には盆と正月が一気に来たような作品。

 

鎮守府の片隅で - ハーメルン

 鎮守府にある鳳翔さんの小料理を舞台に繰り広げられる艦娘との交流やドラマと美味しい食事を描くまったり系SS。「艦これ深夜食堂」と言う表現がピッタリの作品。著者は「学園艦誕生物語」と同じ人だが、続き物ではなく短編連作のため、いつ、どこから見てもいいという辺りが手軽で良い。

 キャラクターや設定の特徴を掴んでいるし、変化球にオリジナル艦娘がちょこっと出て来たり、原作の要素を上手く取り込んだりと細かな配慮も光っているし、何よりもメシの描写が半端なく文字だけでも腹が減るというグルメ小説としての側面も優秀。劇中の料理のレシピも掲載されているなど手抜かりの無さも光る。

 

余計者艦隊 Superfluous Girls Fleet(瀬戸内海追撃編) - ハーメルン

 深海棲艦の猛攻により本土決戦にまで追い込まれた世界を舞台に呉鎮守府に残された僅かな艦娘たちのドラマを描くSS。物理書籍も発売されている。艦これ物でも特に暗く、シリアスな題材の多い「末期戦」モノでも異色の作品。登場する面子にやり取り、独自設定の妙など見所に溢れているほかボリュームもある。まだ途中までしか読んでないのでこれからじっくりと読んでみたい所。

 

「TRUKLAGOON #1 Play out the play」/「BOSS」の小説 [pixiv]

 現在Twitter相互フォロー中のBOSSさんのSS。トラック鎮守府のガスマスク提督とその部下である艦娘たちの戦いを描くSSシリーズの1話。残念ながらまだ続きは出ていないが、クオリティの高い挿絵と某漫画を彷彿とさせるタイトルそのものの暗めな雰囲気が光る作品。この掴みの良さは見習いたい。

 執筆中の「艦これ Mercenary Fleet」シリーズにも多大な影響を与えた一本。

 

「The Expendables #1」/「Cpl.Bellner」の小説 [pixiv]

 現在Twitter相互フォロー中のBellnerさんのSS。現代ベースに海兵隊員の「提督代行」とその部下である艦娘たちの姿を描くマイズールー鎮守府シリーズの短編作。設定の料理方法や戦争映画のようなキャラのやり取りなど「艦これ Mercenary Fleet」に大きな影響を与えている作品の一つ。

 米軍所属艦娘というネタもさる事ながら、Twitterでたまに流れる提督代行とマイズールー鎮守府艦娘のネタ絵等も含めてこれからの進展が気になる一本。